日本のトップクライマーたちが集まり、熱き戦いを繰り広げる「キョーリン製薬グループ presents ボルダリングジャパンカップ 2016」が埼玉県加須市の加須市民体育館を舞台に開催される。
2016年は2年に1度の世界のクライミングの祭典であるIFSC クライミング・世界選手権 2016が9月にパリで開催される年であり、8月のリオ・デ・ジャネイロで開かれる第129次IOC総会では、スポーツクライミングがオリンピック種目として正式に決定する可能性がある。
今大会は、そのような状況のもと今年度のボルダリング種目の日本代表選手を決める注目の一戦であり、若手選手からベテラン選手まで、ボルダリングの国内ナンバーワンの座をかけた、技とプライドのぶつかり合いが展開されることだろう。
女子は、昨年のIFSC クライミングワールドカップで通算4度目の年間優勝を達成した女王、野口啓代を中心とした競技展開になるだろう。昨年の本大会ではまさかの準決勝での敗退となり、第1回大会から続いていた自己の連勝記録も9で止まってしまったが、世界チャンピオンとして今年は負けられないところだ。
野口を追う1番手は今年も野中生萌が筆頭だろう。ワールドカップランキングでは3位となるなど、世界ユース選手権やアジア選手権でも好成績を残し、国内にとどまらず世界のトップを狙える存在となった。抜群の身体能力を生かした魅せるクライミングも持ち味だ。
また昨年の覇者、田嶋あいかを筆頭に2020東京五輪世代の成長にも目を向けたい。いくつかの大会で現在のトップ選手を脅かすような登りをみせている選手もおり、活躍に期待したい。
一方、男子は昨年の優勝者である杉本怜と、藤井快、堀創のワールドカップ年間ランキングで10位前後の3選手を中心とした争いになることが予想される。
しかし、ジャパンカップでは過去10回の優勝者が全て異なることからも分かるように、非常に選手の層が厚く、予選を突破した選手の誰が優勝しても驚きはない。期待される若い力としては、今年世界の舞台でも経験を積んだ楢崎智亜、緒方良行を中心に多くの選手が虎視眈々と日本一の座を狙っている。
いずれにせよ選手たちは4月に予定されているIFSC クライミング・ワールドカップ (B) 加須 2016への出場を懸け渾身のパフォーマンスを見せてくれるだろう。