高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を、
制限時間内にいくつ登れたかを競う競技です。
各ボルダーの制限時間内であれば複数回トライできますが、少ない回数で登ることも重要な要素です。
最大の特徴としては、ボルダーを登るための一つ一つの難易度や強度、不安定度がどの種目よりも高いことです。そのため、選手にはよりダイナミックな動きやテクニカルな動きが要求され、メンタルのコントロール力も順位を大きく分ける要因となります。
国際的な大会としては、IFSCの主催する「IFSCクライミング・ワールドカップ」が年間のシリーズ戦としてヨーロッパを中心にアジアなどでも開催されています。また、2年に1度開催される「IFSC世界選手権」がリードやスピード競技と共に開催されており、世界的に最も権威のある大会となっています。
国内では、「ボルダリング・ジャパンカップ」がJMSCA主催で毎年各1回開催されています。本大会の成績上位者が、その年の日本代表としてワールドカップの出場権を獲得できます。
また、身体的負荷が高いという理由からユースの大会は開催されていませんでしたが、ここ数年はボルダリング種目もおこなわれるようになりました。
ボルダリングは高さ5メートル以下程度の壁で、最大12手程度の複数のボルダーを対象にいくつ登ることができたかを競う種目です。選手は安全器具等を装着しませんが、地面には落下時の衝撃を吸収するマットが敷かれています。ボルダーは定められたスタート位置から始めて、トップホールドを両手で触り安定した姿勢を取ると完登とみなされます。
一般的には予選、準決勝、決勝の3ラウンドで行われ、予選では5本、準決勝と決勝では4本のボルダーに制限時間内であれば何度でもトライできます。予選と準決勝は各ボルダー5分間、決勝は各ボルダー4分間で競技が行われます。
準決勝には20名(予選が2グループに分かれた場合は10名ずつ)、決勝には6名進出できるというのが一般的です。
予選と準決勝はベルトコンベア方式という形式で行われることが一般的であり、各選手は「5分間の競技」と「5分間の休憩」を交互に繰り返し4ボルダーないし5ボルダーの競技を行います。選手は5分間の競技時間でオブザベーションも行う必要があり、他の選手のトライを見ることができません。
決勝はワールドカップ決勝方式という形式で行われることが一般的であり、1ボルダーに対して全ての選手が「4分間の競技」を終えた時点で皆で次のボルダーに移ります。他の選手のトライを見ることはできませんが、進出選手皆で予め各ボルダー2分間のオブザベーションを行うことができます。
順位は「完登ボルダー数」で決まり、同数の場合は各ボルダーに定められたゾーンと呼ばれる高度に達した数である「ゾーン獲得数」で順位が決まります。「完登ボルダー数」「ゾーン獲得数」」が同じ場合は「完登に要したアテンプト」「ゾーン獲得に要したアテンプト」の順番で順位が決定されます。これらも同じであった場合は準決勝の順位を考慮するカウントバックが適用されます。