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LEAD CLIMBING
リード種目のルール

スポーツクライミング競技の中で最も古い歴史を持つのがリード種目です。
ロープで安全が確保された競技者が十数メートルの壁に設定されたコースを登り、
その到達高度を競う競技です。

特徴としては最も長い距離を登る種目であるため「持久力」が勝敗をわける重要な要素であることでしょう。
また、最初から最後まで全力で登り続けられる距離ではないため、最小限の力で重力に打ち勝ち自身の高度を上げていく「テクニック」や、無駄な動きを省き長い距離の中で自身の動きをいかにコントロールしていくかなどの「戦略性」も問われる種目となっています。

リードクライミング競技会

国際的な大会としては、IFSCの主催する「IFSCクライミング・ワールドカップ」が年間のシリーズ戦としてヨーロッパを中心にアジアなどでも開催されています。また、2年に1度開催される「IFSC世界選手権」がボルダリングやスピード競技と共に開催されており、世界的に最も権威のある大会となっています。

国内では、「リード・ジャパンカップ」と「日本選手権」がJMSCA主催でほぼ毎年各1回開催されています。両大会の成績上位者が、その年の日本代表としてワールドカップの出場権を獲得できます。

また、国内外ともにユースの大会も多く開催されており、世界ユース選手権、アジアユース選手権、ジュニアオリンピック、日本ユース選手権など将来のスポーツクライミングを背負う若い世代の活躍、育成の場となっています。

競技方法

リードクライミングは高さ12m以上の壁で、最長60手程度のコースをどこまで登ることが出来るかを競う種目です。選手はロープの繋がったハーネスを装着し、途中の確保支点にロープをかけることで安全を確保しながら登り、最後の支点にロープをかけると完登と見なされます。

一般的には予選、準決勝、決勝の3ラウンドで行われ、予選では2本、準決勝と決勝では1本のコースにそれぞれ1回のみトライできます。競技の制限時間は1本のルートにつき6分間となります。トライをする前の選手は、基本的に他の選手のトライを見ることはできませんが、予選では予め実際にもしくはビデオでデモンストレーションを見ることができます。準決勝と決勝では進出選手皆で予めオブザベーション(コースの確認)をすることができます。

準決勝には26名(予選が2グループに分かれた場合は13名ずつ)、決勝には8名進出できるというのが一般的です。

順位は、各選手の獲得高度(どの高さまで登ることができたか)で決まり、墜落・時間切れ・反則をした時点での高度が獲得高度となります。もし獲得高度の同じ選手がいた場合にはカウントバック(前ラウンドでの順位が高い選手を優先する仕組み)が適用され、それでも同順位の場合は獲得高度までのタイムが短い選手が上位となります。

オブザベーション
日本語で観察の意。スポーツクライミングでは登る前にコースを見て、手順などを予測する行為を指す。
カウントバック
同じラウンドで同じ成績の競技者が出た場合の順位決定方法。スポーツクライミングの場合は1つ前のラウンドの成績が採用される。